はじめに
手打ちそばを楽しむ「そば打ち愛好家」の方々から、
大西製粉には、そばの茹で方について、日々多くの質問が寄せられます。
「生そばの茹で方が、どうしてもうまくいかない」
・生そばは何分茹でるのが正解?
・手打ちそばの茹で時間はどれくらい?
・家庭でそば屋のように茹でる方法は?
・そばがボソボソする原因は?
・茹でると吹きこぼれるのはなぜ?
――これらはすべて、
「生そば 茹で方」「手打ちそば 茹で時間」「そば 茹で 失敗」
といった検索ワードで、多くの人が調べている悩みです。
せっかく丹精込めて打った手打ちそば。
それでも美味しくならないとしたら、
原因は**「そばの茹で方」**にあるのかもしれません。
そこで今回は、
そば打ち愛好家の皆さまから寄せられた疑問をもとに、
そばの実研究所のKONA博士に、
家庭で失敗しない生そばの茹で方を聞いてみました。



生そばの茹で方 Q&A
大西博士、今日は「生そばの茹で方」について、
そば打ち愛好家の方々から寄せられた質問をまとめてお聞きします。



うむ、任せておくれ。
わしはクラコナ博士。
88年、世界を旅して粉料理を食べ歩いた、そばの実研究所の研究者じゃ。
今日は“茹で”の科学を、じっくり話そうぞ。
Q1. 生そばは何分茹でればいい?



まず一番多い質問です。
生そばは、何分茹でるのが正解なのでしょうか?



そば屋で聞くと「60秒くらいかな」と返されることが多いが、
家庭でそのまま真似すると、まず成功せん。
理由は簡単じゃ。
火力・湯量・鍋の大きさが、
家庭と店ではまるで違うからな。
最近(平成~令和)は、
家庭での茹で時間を短くしすぎて、
茹で不足のまま食べてしまう傾向が強くなっておる。
家庭での基本は、これじゃ。
「再沸騰してから60秒」
そこから条件に応じて調整する。
・太麺 → +10~20秒
・細麺 → −10~15秒
・つなぎ(小麦粉)が多い → やや長め
・十割そば → 少し短め
大事なのは、
投入してからではなく、再沸騰してから時間を測ることじゃ。
Q2. なぜ茹でると麺が強くなる?(糊化の科学)



茹でると、麺にコシが出ますよね。
これは、どういう仕組みなんでしょうか?



それは「糊化(こか)」の働きじゃ。
そばに含まれるでんぷん
(アミロース・アミロペクチン)は、
水と熱を受けることで構造が変わり、粘りと弾力を生む。
ここで重要なのが、
茹でるという行為そのものの正体じゃ。
茹でることで、
そば麺の内部にある水分と、鍋の中のお湯とのあいだで、熱と水分の交換が行われている。
茹で湯の熱は、
麺の表面から中心へと伝わり、
同時に、麺の中の水分は動きながら再配分される。
この**熱と水の移動(熱交換)**が十分に行われたとき、
でんぷんはしっかり糊化し、
麺は一体化して、芯まで火が通るのじゃ。
糊化が進むと──
・弾力が生まれる
・喉ごしが良くなる
・そばの甘みと香りが立つ
逆に、
湯温が低い、湯量が少ない、再沸騰が遅いと、
この熱交換が不十分になり、糊化も中途半端になる。
結果として──
・粉っぽい
・ボソボソ切れる
・甘みが出ない
という、家庭でよくある「茹で失敗」につながるのじゃ。
Q3. 吹きこぼれの原因は?



生そばを茹でると、すぐ吹きこぼれてしまいます。



あの泡の正体は、
そばのアク(たんぱく質+でんぷん)、
そしてそば打ちの際の打ち粉の使い過ぎじゃ。
対策はこれじゃな。
・再沸騰後は中火に落とす
・鍋の8割まで湯を張る
・打ち粉を落としてから投入
・油を1滴、または菜箸を鍋に渡す
泡は悪者ではない。
制御できる現象じゃ。
Q4. 打ち粉は落としたほうがいい?



打ち粉は、そのまま茹でても大丈夫でしょうか?



鍋に入れる前に、
余計な打ち粉は必ず落とすべし。
打ち粉が多いと──
・泡立ちが増える
・湯温が下がる
・吹きこぼれやすくなる
そば湯は濃くなるが、
茹では不安定になる。
そば打ちで麺を切り、生舟(タッパー)に収める際、
包丁ですくい上げ、麺の端を持って軽く振り、
断面に打ち粉を行き渡らせつつ、余分は払い落とす。
茹でる直前にも、
もう一度軽く払い落とす。
それだけで、成功率はぐっと上がるぞ。
Q5. 茹で方を左右する要素とは?



同じ時間でも、仕上がりが違う気がします。



当然じゃ。茹では条件の積み重ねじゃからな。
・火力:再沸騰を最短で
・鍋:大きいほど安定
・湯量:1人前あたり2L以上
・麺の太さ:太いほど長め
・小麦粉の量:多いほど長め
小麦粉の種類でも違いが出る。
・薄力粉 → 短め
・中力粉 → 標準
・強力粉 → 長め
Q6. 茹で上げ後の扱いで、そばの表情は変わる



茹でたあとの扱いで、食感は変わりますか?



大きく変わるぞ。
コシの強いそばがお好みなら、
茹で上げた麺を氷水でしっかり締めることじゃ。
急激に温度を下げることで、
糊化したでんぷんの構造が安定し、
麺のコシが長く持続する。
一方、温かいそばを食べる場合は作法がある。
基本は、
茹でた麺をいったん冷水で粗熱を取り、
その後、温かいお湯にさっとくぐらせてから、
熱々のかけ汁を注ぐ。
こうすることで、
麺の形を保ったまま、温かいそばとして仕上げられる。
ただし――
日本各地には、
**茹でたそばをそのまま温かいつゆに入れる
「釜揚げそば」**で提供する地域もある。
この場合、そば麺は水で締められていないため、
糊化したでんぷんはやや不安定になり、
麺は歯もろく、切れやすくなる。
しかし、
それは「失敗」ではない。
柔らかく、ふんわりとした食感。
そばの甘みが前に出る、素朴な味わい。
釜揚げならではの美味しさとして、
今も根強い人気がある食べ方の一つじゃ。
家庭で失敗しない茹で手順(決定版)



最後に、手順をまとめて教えてください。



よかろう。これが決定版じゃ。
- 大鍋に湯をたっぷり(1人前2L以上)
- 麺の打ち粉を払う
- 沸騰した湯に投入
- 火力最大で再沸騰
- 再沸騰したら火力を調整
- 再沸騰後60秒、しっかり茹でる
- ざるにあげる
- 冷水で粗熱を取る
- 氷水で締める(目的に応じて)
これで、そばの美味しさは一変する。
KONA博士のまとめ
・生そばは「再沸騰してからの時間」が命
・コシの正体は、糊化と熱交換
・吹きこぼれはアクと打ち粉が原因
・鍋・火力・湯量が結果を左右する
・締めるか、締めないかで、そばの個性は変わる



茹でる意味が、ようやく腑に落ちました。



せっかく苦労して打ったそばも、
茹でで失敗すれば水の泡じゃ。
茹でにもこだわって、
最高においしい手打ちそばを仕上げようぞ。


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