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そば粉の保存方法と脱酸素剤(エージレス)の役割

最近、大西製粉には
「そば粉の保存」について
多くのお問い合わせが寄せられています。


「開封したそば粉はどのくらい持つのか?」
「冷凍保存はできるのか?」
「パック袋の中に入っている小さな袋は何?」
「常温で置いておいても大丈夫?」


そば粉は小麦粉や米粉よりもデリケートで、
保存を間違えるとすぐに香りが落ちたり虫が湧いたりしてしまいます。
そこで今回は、
大西製粉のKONA博士 が、初心者にもわかりやすく、伝統と科学の両面から解説していきます。

KONA博士 登場

こんにちは、クラコナ博士じゃ。
わしは88歳、若いころ世界を旅して粉料理を食べ歩いた
「粉の研究者」じゃよ。
そば粉や小麦粉のことなら何でも聞いてくだされ。


今日は、そばの香りの正体、そして粗挽きの香りがなぜ強いのか、
日本の粉食文化の知恵と科学で分析していくぞよ!

目次

そば粉の保存 Q&A

そば粉はなぜ保存に気をつける必要があるの?

そば粉は小麦粉や米粉に比べてとてもデリケートなんじゃ。理由は大きく3つある。

香りが命

そば粉の魅力は挽き立ての香ばしい香り。しかし製粉した瞬間から酸化が始まり、少しずつ香りが失われてしまう。
紙袋で流通する場合、空気や湿気の影響を受けやすく、風味が早く落ちるんじゃ。


生菌数が多い

そば粉は外皮ごと挽くことが多いため、自然界の微生物が残りやすく、小麦粉や米粉に比べて生菌数が多い。
そのため保存には温度管理が欠かせないんじゃ。


虫が発生しやすい

特に粗挽き粉では粒の大きさが虫の卵と近く、混入や発生リスクが高まる。
夏場の常温保存はとても危険なんじゃ。

開封したそば粉はどのくらい持つの?


開封した瞬間から酸素や湿気に触れるので、鮮度はどんどん落ちていくんじゃ。

紙袋のままなら夏場は1週間以内に使い切るのが理想。
使い切れない場合は小分けにして冷蔵庫へ。
10kg袋を買ったときは1kgずつパックして保存するのがおすすめじゃ。

そば粉は冷凍保存できるの?

もちろんできるぞ。むしろ長期保存には冷凍が最適なんじゃ。
ただし注意点がある。

・冷凍庫に入れる前に、袋の空気をできるだけ抜いてチャックを閉める 
・使うときは必ず常温に戻してから開封する(結露で粉が固まるのを防ぐため)  


冷凍なら数か月は風味を保てる。そば打ち初心者でも安心して保存できる方法じゃな。

パック袋の中に入っている小さな袋は何?

それは脱酸素剤(別名エージレス)じゃ。
日本の三菱ガス化学が1970年代に開発した技術で、袋の中の酸素を吸い取ってくれる。


これによって、

・そば粉の酸化を防ぐ
・虫やカビの発生を抑える
・「挽き立ての香り」に近い状態を守る


といった効果があるんじゃ。
触ると少し温かいことがあるが、それは鉄粉が酸素と反応して熱を出している正常な現象。
安心してよいぞ。

常温保存でも大丈夫?

残念ながら、常温はおすすめできない
特に夏場の常温保存は虫の温床になるんじゃ。紙袋のまま1か月置けば虫が湧くこともある。

紙袋保存は1週間以内に使い切ること。
もし長く保存したいなら、冷蔵庫や冷凍庫での保管が必須なんじゃ。

海外でも脱酸素剤は使われているの?

もちろんじゃ。
英語では「Oxygen Absorber」と呼ばれていて、アメリカやヨーロッパでもナッツやコーヒー、ドライフルーツなど幅広い食品で使われておる。
つまり、脱酸素剤は日本だけでなく、世界中で食品保存の常識になっておるんじゃな。

KONA博士のまとめ


・そば粉は小麦粉や米粉に比べてデリケート。香りが飛びやすく、虫も発生しやすい。 
・開封後は冷蔵保存で1か月、冷凍なら数か月が目安。 
・脱酸素剤(エージレス)は、酸化と虫を防ぐ小さな番人。 
・常温保存は危険。紙袋なら1週間以内に食べきること。


そば粉は生き物のように繊細じゃ。
保存を工夫すれば、初心者でも挽き立てに近い香りを味わえる。

美味しいそばを打つには、打ち方の技術だけでなく粉の保存方法こそ大切なんじゃよ。

石臼挽きそば粉

石臼挽き そば粉 長野県産 [1kg/500g]

当社の一番人気そば粉。
精選したそばの実の黒殻をわずかに挽き込んだ挽きぐるみそば粉、風味、粘りがあり、おすすめです。


この記事を書いた人

そばの実研究所 クラコナ博士

年齢:88歳のおじいさん
経歴:若いころは世界を旅し、各国の粉料理を食べ歩いた探究者。ヨーロッパのパン、中国の麺料理、インドのチャパティ、アフリカの雑穀料理まで、世界の「粉食文化」に触れてきた。
思い出:中国の奥地で、地平線まで広がる「そばの花畑」に出会い、現地のそばを食べた経験が人生の大きな転機に。「そばは人類の食文化をつなぐ大切な宝だ」と心に刻んだ。
専門:製粉学・食文化史。粉の鮮度保持や保存方法について教授レベルの知識を持ち、現代の人々にもわかりやすく伝えることを使命にしている。そば打ちが趣味。
性格:おっとりしているが、話し出すと止まらない探究心の持ち主。ユーモアも交えて、難しいこともわかりやすく説明してくれる。

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