MENU

そば打ちの加水率について

そば麺
目次

石臼挽きそば粉とロール挽きそば粉の加水率は違う

お客様から、

「ロール挽きそば粉と石臼挽きそば粉の加水率が違うのはなぜですか?」 と

問い合わせをいただきました。

当社のロール挽きそば粉は500g捏ねの場合、加水210g~220g (約42%)

石臼挽きそば粉は500g捏ねの場合 加水250g~260g (約50%) となっています。

石臼挽きそば粉の方が水が多く入ります。

石臼挽きそば粉でロール挽きそば粉の加水量でそば打ちをすると、

硬くて伸ばせない、生地にヒビが入ってしまう。麺が切れてしまう。など、

そば打ちの失敗につながってしまいます。

またロール挽きそば粉に、石臼挽きそば粉の加水量でそば打ちをすると、

柔らかすぎ、粘りが強すぎでうまく捏ねることができない。など、

こちらも、そば打ちの失敗につながってしまいます。

適切の加水量でそば打ちをするのが、成功のポイントです。

粉により加水量が違う理由は?

明確な理由は不明で、私も研究中ですが、

これはそば粉の粒子の大きさの違いより、加水量が違ってくるように感じています。

ロール挽きそば粉は100メッシュのふるいを使っています。

100メッシュというのは 1インチ(2.54mm)に100本の目があるサイズです。

粉の大きさは 140ミクロンになります。

一方 石臼挽きそば粉は50メッシュのふるいを使っています。

50メッシュというのは 1インチ(2.54mm)に50本の目があるサイズです。

粉の大きさは 279ミクロンになります。

石臼挽きそば粉の粒子の方が倍近く大きいです。

大きいほうが、水分を粒の中に、吸水し、保持しやすいので、加水が多くなるのかもしません。

また

製粉の違いによる断面の違いもあります。

ロール挽きが刃物のように切って細かくしていきますが、

石臼挽きは引きちぎるように粉を細かくしていきます。

顕微鏡で見ると、ロール挽きの方が滑らかに、石臼挽きの方が断面が毛羽立っています。

石臼の方が断面積が多くなりますので、

粒子に水が付着していくのかもしれません。

また

ロール挽きそば粉の方が100メッシュの大きさに揃っているのに対し

石臼挽きそば粉の方は大きい粒子から細かい粒子まで

広く分布しています。

粒子の大きさが不揃いなものはつながりにくいので、

接着剤の役目の水が多く必要なのかもしれません。

以上が私の見解ですが、

間違いなどもあるかと思います。

ご一笑ください。

この記事を書いた人

大西製粉店長のアバター 大西製粉店長 大西製粉5代目

大西製粉5代目社長 大西響
霧下蕎麦の名産地として知られる長野県小諸市で、そば粉専門の粉屋を営んでおります。地元の良質な蕎麦を全国のそば打ち愛好家様にお届けできるように、日々奮闘しております。

奥深い蕎麦の世界、知れば知るほどその面白さは増していくようです。 どうぞ細く長く縁起の良し蕎麦のように、末永くお付き合いください。

目次